人が採れない地方の会社は、AIで何ができるのか
募集しても応募が来ない。来ても続かない。ハローワークにも人材紹介にも出しているのに、半年決まらない。
この状態の会社に「採用を強化しましょう」と言っても意味がありません。 増員という選択肢が、最初から無いからです。 だとすれば、やることは一つしか残りません。 今いる人数で回る形に、業務のほうを組み替えることです。
先に結論を書いておきます。AIは人を連れてきません。現場の作業そのものも代わりません。 施工も運転も調理も介護も、手を動かす仕事は埋まりません。 効くのは事務・判断・段取りの部分だけです。 ただ、そこが空けば、現場に立てる人が現場に戻れます。地方の小さい会社にとっては、それが一番大きい。
まず、いま何が起きているか
気のせいでも、経営者の努力不足でもありません。数字で出ています。
427件
2025年の人手不足倒産。統計開始以来の最多で、前年より24.9%増えました。
77%
そのうち、従業員10人未満の会社が占める割合。潰れているのは小さい会社です。
113件
業種別で最も多かった建設業。初めて100件を超えました。物流・運送も52件で過去最多です。
2025年度(2025年4月〜2026年3月)で見ると441件。前年度の約1.3倍で、これも過去最多です。
採用市場の側も同じことを示しています。2026年卒の大卒求人倍率は全体で1.66倍ですが、 従業員300人未満の企業に限ると8.98倍。 9社が1人を取り合っている計算です。これは新卒の数字であって現場の中途採用そのものではありませんが、 小さい会社が同じ土俵に立てていないという構造は共通しています。
出典:帝国データバンク 人手不足倒産の動向調査(2025年)、 同(2025年度)。 求人倍率は 第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)。
なぜ「採用を頑張る」では解けないのか
地方の会社では、都市部と前提が3つ違います。
母集団がそもそも存在しない
都市部の「採用がうまくいかない」は、応募はあるが決まらない状態です。地方のそれは、 応募が0件のまま半年経つ状態です。同じ言葉ですが、別の問題です。 採用手法の改善は、母集団がある会社の打ち手であって、無い会社には効きません。
代わりがいないので、一人抜けると止まる
人数が少ないほど、一人あたりが持つ業務の種類は増えます。総務が経理も労務も請求も持っている、 という会社は珍しくありません。属人化は怠慢ではなく、人数の必然です。 そして代替要員がいないので、その人が休んだ日は本当に止まります。
辞められると、連鎖する
一人抜けた分は、残った人に乗ります。乗せられた人が限界を超えると、次が抜けます。 採用できない会社にとって、退職は欠員ではなく崩壊の起点です。 だから本当の目標は「人を増やす」ではなく、今いる人を潰さないことになります。
このサイトでは「AIで省人化しましょう」とは書きません。 減らす余地がある会社の話ではないからです。 やるのは、今いる人が本業に戻れるように、事務と判断と段取りのほうを軽くすることです。
AIにできること、できないこと
先に、できないほうから書きます。ここを曖昧にした説明は、読んだ時点で嘘だと分かるはずです。
できないこと
- 人を連れてくること。採用難そのものは解けません。
- 手を動かす仕事。施工、運転、調理、介護、修理、接客。現場は埋まりません。
- 責任を負うこと。最後に決めるのは人です。AIは材料までしか出しません。
- データが無い判断。紙にも頭にも残っていないことは、どんな道具でも復元できません。
できること
- 集計と転記。同じ数字を2回以上打ち込んでいる作業は、ほぼ全部なくせます。
- 突き合わせ。請求と入金、名簿と稼働、発注と納品。人が目で照合しているところ。
- ベテランの判断の型取り。過去の実績が残っていれば、判断の筋道を形にできます。
- 足りない場所を数えること。感覚で語られている不足を、時間と人数に落とします。
では、何からやるか
順番があります。上から順にやってください。逆にすると、たいてい途中で止まります。
本当に足りない場所を、数える
採用の前にやることです。勤怠1か月分を、一週間168時間の一枚に並べ直します。 すると「人数が足りない」と思っていたものが、 特定の曜日の特定の時間帯だけが足りていない、という形で出てくることがあります。 その場合、人を増やしても山には届きません。増やすべきは人数ではなく、その時間に入れる人です。
168時間の配置ビューを見る一人しかできない仕事を、他の人でも回せるようにする
見積、査定、段取り、値決め。「あの人に聞かないと分からない」が残っている限り、 その人は休めず、辞められたら終わりです。過去の実績が残っていれば、 判断の筋道を形にして、他の人が同じ答えを出せる状態にできます。 ベテランを置き換えるのではなく、ベテランが現場に出ている間も業務が止まらないようにする、という意味です。
属人化の解き方を見る兼務している事務を、減らす
人数が少ない会社ほど、一人が経理も労務も請求も持っています。 そのうち同じ数字を2回打っている作業と、目で照合している作業は、 たいてい外に出せます。請求と入金の突き合わせはその代表です。 ここが空けば、その人は本来の仕事に戻れます。新しく雇うより早く、確実です。
入金消込のサンプルで試すこの3つに共通しているのは、どれも人を減らす話ではないということです。 今いる人が、辞めずに、潰れずに、本来の仕事に戻れる形にする。 採用できない会社にとって、それが唯一残っている打ち手です。
「うちはこうなんだけど」のままで結構です
何から話せばいいか決めてから来ていただく必要はありません。 ExcelとFAXと紙と手書きのまま、そのままお聞かせください。散らばったものを突き合わせるところが、こちらの仕事です。
初回はオンラインで状況を伺うところから始めます。遠方でも構いません。 自社で進められる内容だと判断したら、そのようにお伝えします。
人が足りない状況を聞いてもらうお困りごとシリーズ
台帳をぜんぶ見る症状ではなく「これは何の問題なのか」を定義し、実際に見えるようにしたところまでを1本ずつ書いています。
AIが出した答えを、そのまま承認している
参考値のつもりで出させた機械の答えが、いつのまにか結論になっている
見せられるもの:入金消込(読ませるのは候補まで、確定は人)人が採れない。増員という選択肢が最初から無い
足りないのは人ではなく、今いる人数で回る形に組み替えられた業務
ホームページはある。でも、問い合わせが来ない
問い合わせ数だけでなく、商談・受注につながる場所まで育てる
見せられるもの:Mercury PDCE(0件 → 半年 → 月30件) 07新サービスを作っても、客が来ない
発注者が探す市場かを、作る前に確かめられていない
見せられるもの:Mercury PDCE(0件 → 半年 → 月30件) 09請求書を出したあと、入金予定を手で打ち直している
請求と入金が別の場所にあり、繋いでいるのが担当者の頭の中だけ
見せられるもの:サンプル3ファイル+プロンプト(その場で試せる) 10サーバーが古いと言われたが、どこも引き受けてくれない
サーバーが古いのではなく、Webと業務とメールが同じ場所で絡んで作業範囲を確定できない
見せられるもの:老朽サーバーのAWS移行(調査から本番切替まで) 01人を増やしても、現場が楽にならない
人手不足ではなく、時間帯ごとの配置が見えていない
見せられるもの:168時間 配置ビュー 02案件の利益が、締めてからしか分からない
見積・原価・入金が別の場所にあり、突き合わせが月末しかできない
見せられるもの:Mercury-Link 03ベテランの頭の中にしか、正解がない
文書がないのではなく、文書に聞けない
見せられるもの:マニュアルRAG 06古いシステムを、もう誰も直せない
システムが古いのではなく、仕様がプログラムの中にしかない
見せられるもの:業務ファイル棚卸しツールどのお困りごとから入っても、進め方は同じです。 経営のお困りごとに伴走する進め方 にまとめています。 そもそもAIをどこから始めればいいか決まっていない場合は、 AXの現在地 (松尾豊教授のAX1〜5で自社の位置を決める)から読んでください。
よくいただく質問
AIを入れれば人手不足は解決しますか
いいえ。AIは人を連れてきませんし、現場の作業そのものも代わりません。施工、運転、調理、介護、修理といった手を動かす仕事は、AIでは埋まりません。効くのは事務・判断・段取りの部分です。具体的には、集計と転記、突き合わせ、書類作成、そして「ベテランしか判断できない」状態の解消です。ここを外に出せれば、現場に立てる人が現場に戻れます。
AIを入れると人を減らすことになりませんか
ここで扱っているのは人を減らす話ではありません。もともと採れない会社が対象なので、減らす余地がそもそもありません。目的は、今いる人が辞めないこと、そして誰か一人が抜けても業務が止まらないことです。
まず何から手をつければいいですか
数えるところからです。採用の前に、いつ・どこが・どれだけ足りていないのかを出します。勤怠1か月分を一週間168時間に並べ直すと、足りないのが人数ではなく特定の時間帯だった、という結果になることがあります。その場合、採用しても解決しません。
社内にITに詳しい人がいませんが大丈夫ですか
前提としてそう考えています。詳しい人がいる会社なら、すでに自分たちで手をつけているはずです。ExcelとFAXと紙と手書きのままお持ちください。整えてから相談する必要はありません。
地方の会社ですが、遠方でも相談できますか
できます。初回はオンラインで状況を伺うところから始めます。手元の帳票を画面で見せていただければ、それで足ります。
まず、棚卸しから
初回の棚卸しは無料です。30分オンラインで伺って、「数字にできるか・どこから手をつけると効くか」の見立てをお返しするところまで。合わなければそこで終わりで構いません。
- 1 下のフォームを送る。箇条書き1行で構いません
- 2 30分オンライン。資料の準備は不要。いつもの帳票をそのまま見せてください
- 3 見立てを無料でお返し。進める場合の概算費用もこのとき出します