02 | お困りごとシリーズ

案件の利益が、
締めてからしか分からない。

これは「利益率が低い」問題ではありません。 同じ案件の数字が別々の場所にあり、突き合わせられるのが月末だけというお困りごとです。 赤字を止められるのはまだ発注していない分だけなのに、その判断が締めたあとに来ます。

こういう言い方で相談が来ます

どれも症状です。原因はまだ言えていません。

「終わってみたら、あの案件は赤字だった。」

「追加工事をやったが、請求に乗っているか自信がない。」

「月次が出るのは翌月の中旬。出たときにはもう次の月が走っている。」

「外注の請求書が出揃うまで、原価が確定しない。」

「どの案件が儲かっているか、社長が即答できない。」

「来月の手元資金がいくらになるか、通帳を見るまで分からない。」

これは何の問題か

同じ案件の数字が四か所に分かれていて、 突き合わせられる人と時間が、月末にしかない状態。

ひとつの案件を追うために、見ないといけない場所がいくつもあります。 それぞれの場所では正しい数字が入っています。問題は、誰も横に並べていないことです。

ひとつの案件の数字が、どこに散っているか

見積の金額

Excel。担当者ごとにフォーマットが違い、最終版がどれか分からないこともある

発注と原価

紙の注文書とメール。現場で先に決まって、あとから事務に回る

入金と支払

通帳と会計ソフト。案件名ではなく取引先名で並んでいる

現場での変更

電話とLINE。追加工事を口約束で受けたところまでしか記録がない

なぜ「締めてから」では手が打てないのか

赤字を止められるのは、まだ発注していない分だけです。

工事が終わり、外注の請求書が出揃い、月次を締めて初めて分かる——その時点で、支払う義務はすべて確定しています。 打てる手はもうありません。同じ情報が進行中に見えていれば、残りの発注を絞る、追加工事を有償で通す、 工程を組み替えるという手が残っていました。変わるのは金額ではなく、知るタイミングです。

数字で置くと、こういう話になります

請負500万円・粗利率20%の案件なら、見込み利益は100万円。 ここで拾い漏れた外注費と、請求し忘れた追加工事が合わせて30万円あれば、利益の3割が黙って消えます。 同時に何本も走っていれば、どの案件で消えたのかを特定するだけでも一苦労です。 ※ 構造を説明するための試算です。特定企業の実績値ではありません。

見えていないと、こういうことが起きます

赤字が事故ではなく結果になる

防げたはずのものが、毎回「終わってみたら」で処理されます。

値付けの根拠が育たない

どの案件がなぜ薄かったのかが分からないので、次の見積に反映できません。

資金繰りが読めない

入金と支払のずれが案件ごとに違うので、来月の手元資金が通帳を見るまで確定しません。

追加工事が無償になる

記録が口約束で止まっていると、請求のタイミングで根拠が出てきません。

二重入力が増える

同じ数字を見積書・注文書・請求書に打ち直すので、そのたびに転記ミスの余地が生まれます。

やめる判断ができない

利益の出ていない取引先や工種を、数字で特定できないまま続けることになります。

見えるようにしたもの

案件を軸に、全部を一本に通す。

四か所に散っていた数字を、工事案件のIDで一本に紐づけました。 見積・発注・原価・入金・支払を同じ案件の下に並べると、進行中の粗利がその場で出ます。 原価が予定を超えたら、締めを待たずに画面が警告します。

これが Mercury-Link です。 自分たちの工事の実務のために作って、いまも動かしているシステムです。

工事別P/L

案件ごとに売上・原価・粗利を即時集計。利益が出ている案件と出ていない案件が一目で分かる

キャッシュフロー

入金予定と支出予定を同じ時間軸に並べ、手元資金の推移を週・月単位で先読みする

帳票の統合

見積書・注文書・請求書を同じ案件データから生成。二重入力をなくす

マスタの一元化

得意先・外注先・社員・経費科目を一本に。取引先ごとの利益貢献度も出せる

正直に書いておきます

  • Mercury-Link は自分たちの工事の実務で動かしているシステムです。外部のお客様への導入実績はまだありません。
  • いまのところ製品として販売していません。お見せできるのは、動いている実物です。
  • 御社の業種で同じことをやるなら、案件の定義から作り直します。工種も原価の切り方も業種ごとに違うためです。

見えるようになると、判断が変わります

粗利が上がると約束はしません。変わるのは気づくタイミングです。

赤字が「防げる事故」になる

原価が予定を超えた時点で分かるので、残りの発注や工程で手を打てます。

追加工事を有償で通せる

発生した時点で案件に紐づくので、請求の根拠が残ります。

次の見積が育つ

どの工種・どの取引先で薄くなったかが分かるので、値付けに反映できます。

来月の資金が読める

入金と支払を同じ軸に並べるので、手元資金の谷が事前に分かります。

社長が即答できる

「いまどの案件が利益を出しているか」を、画面を開けば言えるようになります。

こういう会社に当てはまります

建築や工事に限りません。共通しているのは「案件ごとに採算が違い、外注と入金の時期がずれる」ことです。

複数の案件が同時に走っている(建築・電気・設備・土木・太陽光)

外注費が原価の大きな割合を占める

施主やクライアントからの入金が、支払より後に来る

追加や変更が現場で先に決まる

案件の期間が数週間から数か月にわたる(制作・システム開発・イベント)

見積書と請求書を別のフォーマットで作っている

よくいただく質問

会計ソフトを入れているのに、なぜ案件の利益が分からないのですか

会計ソフトは会社全体の数字を正しく締めるための道具で、案件単位で「いまどうなっているか」を見るための道具ではありません。 仕訳が入るのは請求書が届いたあとなので、原価が確定するまで案件の粗利は動きません。 経営判断に必要なのは、確定した数字ではなくいま出ている見込みの方です。

Excelで案件ごとの原価表を作っていますが、それでは足りませんか

案件が数本なら足ります。足りなくなるのは、同時に走る案件が増えて、追加工事や外注の変更が現場で先に決まるようになったときです。 転記が追いつかなくなり、Excelの数字と現場の実態がずれ始めます。 ずれていることに気づけないのが本当の問題です。

締めてから分かるのでは、なぜ手遅れなのですか

赤字を止められるのは、まだ発注していない分だけです。工事が終わって請求書が出揃った時点では、支払う義務がすべて確定しています。 同じ情報を進行中に見られれば、残りの発注を絞る、追加工事を有償で通す、工程を組み替えるという手が残ります。

Mercury-Linkは購入できますか

いまは自分たちの工事の実務で動かしているシステムで、外部への販売はしていません。 お見せできるのは動いている実物です。同じ考え方で御社の業務に合わせて作ることはできます。

既存の会計ソフトや業務システムは捨てることになりますか

いいえ。会計は会計として残します。やるのは、案件の数字を横に並べる層をその手前に作ることです。 既存システムからデータを取り出せるなら、それを使います。

いまの案件が、いくら残るのかを見てみる

初回の棚卸しは無料です。30分オンラインで、いまお使いの見積Excelと原価表をそのまま見せてください。「どこで数字が切れているか・どこから繋ぐと一番効くか」の見立てをお返しするところまでが無料の範囲です。

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お困りごとシリーズ

台帳をぜんぶ見る

症状ではなく「これは何の問題なのか」を定義し、実際に見えるようにしたところまでを1本ずつ書いています。

どのお困りごとから入っても、進め方は同じです。 経営のお困りごとに伴走する進め方 にまとめています。