06 | お困りごとシリーズ

古いシステムを、
もう誰も直せない

これは「システムが古い」問題ではありません。 仕様が、動いているプログラムの中にしか残っていないというお困りごとです。 何をしているか読み取れない限り、直すことも、止めることも、作り直しの見積を出すこともできません。

こういう言い方で相談が来ます

どれも症状です。原因はまだ言えていません。

「作った会社と連絡がつかない。もうその会社が無い。」

「Access で動いている。作った担当者はとっくに辞めた。」

「Excel のマクロが止まると、業務も止まる。」

「直したいが、触ると何が壊れるか分からない。」

「Windows の更新のたびに、今度こそ動かなくなるのではと身構える。」

「新しくしたいが、今のが何をしているのか誰も説明できない。」

これは何の問題か

動いているのに、何をしているか誰も言えない状態。 仕様が、プログラムの中にしか残っていない。

直せないのは技術力の問題ではありません。正解が読み取れないからです。 腕のいい技術者を連れてきても、まず「これは何をしているのか」を調べるところから始まります。 そして多くの場合、その調査こそが誰も引き受けたがらない部分です。 誰も悪くありません。作った当時は、作った人が全部分かっていた——というだけです。

なぜ従来の打ち手では解けないのか

1.「作り直す」の見積が、そもそも出てこない

見積を出すには何を作るかが要ります。ところがその要件は、いま動いているものの中にしかありません。 開発会社から見れば、範囲の読めない仕事です。だから大きくリスクを乗せた金額になるか、やんわり断られます。 高いのではなく、読めない分がそのまま価格になっているということです。

2.「パッケージに乗せ替える」が、途中で刺さる

既製品に寄せる判断自体は正しいことが多い。ただし必ず、パッケージの前提と自社のやり方がズレる部分が出ます。 そしてそのズレている部分こそ、どこにも書かれていない部分です。 導入の終盤になって発覚し、そこで止まります。

3.「分かる人を採る」は、属人化を先送りするだけ

採用できたとしても、その人も同じ「読み取れない」壁の前に立ちます。 読み解いてくれたとしても、その理解がまた一人の頭の中に入るだけなら、 同じ状態が一人ぶん先に延びるだけです。

4.「動いているから触らない」が、いちばん高くつく

先送りしている間に、当時を知る人がさらに減ります。判断材料は増えず、減り続ける。 しかも動かなくなる日は自分では選べません。 いちばん高い選択肢が、いちばん決断が要らないのがこのお困りごとの厄介なところです。

先にやるのは作り直しではなく、読み取ることです。

何がどこにあるかさえ紙に出れば、範囲が決められます。範囲が決まれば見積が出ます。見積が出れば判断できます。 順番を逆にすると、金額が大きくなりすぎて必ず止まります。

このままだと、こういうことが起きます

止まった日が、業務が止まる日になる

バックアップがあっても、戻せる人と直せる人がいなければ復旧しません。

制度変更に追随できない

税率・様式・保存要件が変わったとき、直せないぶんを人の手作業で埋めることになります。

動かす環境ごと維持できなくなる

OS や Office のサポートが切れると、古い端末を1台だけ残して延命する形になります。

過去のデータが取り出せなくなる

中に何年分も入っているのに、読み出す手段がその古いシステムしかない状態です。

次の投資が決められない

今のが何をしているか分からないので、置き換えの範囲も金額も決められません。

「触らない」が申し送られる

引き継ぎのたびに禁足地が増え、業務の一部が誰の担当でもなくなります。

その場で試せます

動いているものから、仕様を取り出す。

その場で試せます

ファイルを読ませると、下の「2」と「3」がその場で出ます

Access(.mdb / .accdb)や Excel(.xlsx / .xlsm)を読み込ませると、テーブル・項目・件数・繋がりに加えて、 空のまま使われていない箇所、名前から見て古い年度のもの、数式で繋がっていないのに同じ項目名が別の表にもある箇所—— つまり人が手で突き合わせている疑いのある場所——を指摘します。

ファイルはサーバに送られません。読み取りは全部ブラウザの中で動いていて、 受け取る口をそちら側に作っていません。手ぶらで試せるサンプルも置いてあります。

棚卸しツールを試す

ただし、ここも正直に書いておきます

  • ツールが出せるのは「何がどこにあるか」までです。そのうちどれが実際に業務で回っているかは、使っている人に聞かないと分かりません。
  • 他社の老朽システムを引き取って作り直した実績はゼロです。道具はありますが、経験としてはここが無い。
  • 置き換えた後の見本として出せるのは、古いやり方を読み解いて動く画面にした自社の2件だけです。行為は同じですが、他社のシステムを引き取った経験ではありません。
  • そのうえで、手をつける順番は決まっています。以下がその順番です。
1

現物を受け取る

.mdb / .accdb / .xlsm、帳票のPDF、画面のスクリーンショット

2

中の構造を取り出す

テーブル・項目・件数・クエリ・フォーム・マクロと、その参照関係

3

1枚の地図にする

何がどこにあり、どこから読まれ、どこへ書かれているか

4

使われている所を見分ける

作られたが使われていない機能を落とす。ここで範囲がいちばん減る

5

置き換える範囲を決める

全部は作り直さない。ここまで出れば見積が出せる

読めるもの、読めないもの

Access や Excel のマクロは、ファイルそのものが設計図を兼ねています。 作った人がいなくても、テーブルと項目とクエリの構成は取り出せます。ここは希望が持てる側です。

読めないのは、ソースの残っていないコンパイル済みの実行ファイル(.exe や .mde)です。 この場合は画面と帳票と実際の操作から逆に組み立てることになり、相応に時間がかかります。 どちらに当たるかは、拡張子を教えていただければその場で判断できます。

同じ行為をやった自社の2件

どちらも「Excel と人の記憶で回っていた業務を読み解いて、動く画面に置き換える」という点では同じことをしています。 他社のシステムを引き取った例ではありませんが、置き換えた後がどうなるかの見本にはなります。

「決められない」が「決められる」に変わります

読み取った時点では、まだ何も作り替えていません。変わるのは判断できる状態になることです。

触れる範囲と触れない範囲が分かれる

「全部が怖い」が「ここは触っていい」に変わります。日々の小さな変更が通るようになります。

作り直しの見積が出せるようになる

要件が書けるからです。相見積もりを取ることもできるようになります。

全部を作り直さなくてよくなる

使われていない機能を落とせるので、想定より範囲が小さくなることがほとんどです。

データを取り出せる状態にできる

中に溜まった過去数年分を、古いシステム抜きで読める形にしておけます。

属人化の先送りが止まる

読み取った内容が人ではなく資料として残るので、次の担当者がゼロから始めずに済みます。

こういう会社に当てはまります

共通しているのは「業務は回っているが、回している仕組みを説明できない」ことです。

Access・Excelマクロ・古いVBで、受注や在庫や原価の一部が動いている

作った会社が廃業した、または連絡が取れなくなっている

作った担当者が退職し、引き継ぎ資料が実質ない

Windows や Office のサポート終了に追われている

制度や様式の変更を、そのつど手作業で回避している

「これは触らない」と申し送られている業務がある

逆に、当てはまらない場合

いま使っているのが現行のパッケージ製品で、ベンダーのサポートが生きているなら、 まずそのベンダーに相談するのが早くて安いはずです。 このお困りごとは「聞ける相手がもういない」ことが前提です。

よくいただく質問

ソースコードが残っていなくても調べられますか

Access(.mdb / .accdb)や Excel のマクロなら、ファイルそのものが設計図を兼ねているので、 テーブル・項目・クエリ・フォームの構成を機械的に取り出せます。 読めないのは、ソースが無いコンパイル済みの実行ファイル(.exe や .mde)です。 この場合は画面と帳票と実際の操作から逆に組み立てることになり、時間がかかります。 どちらに当たるかは、拡張子を教えていただければその場で判断できます。

作り直すといくらかかりますか

棚卸しをする前は出せません。金額は作る範囲で決まり、その範囲は「いま何が動いていて、そのうちどれが実際に使われているか」が 分からないと決められないからです。開発会社が老朽システムの作り直しに大きな金額を乗せるか断るかするのは、 この読めないリスクを丸ごと価格に入れているためです。 だから最初の棚卸しを無料にしています。

全部を作り直すことになりますか

なりません。棚卸しをすると、作られたが実際には使われていない機能がかなりの割合で出てきます。 長く使われたシステムほどその比率は高い。使われている部分だけを対象にすると、想定より範囲が小さくなることが多いです。 全部を作り直す前提で考えると金額が大きくなりすぎて、結局「今のまま様子を見る」に戻ります。

今のシステムを止めずに進められますか

止めずに進めます。最初にやるのはデータを読み取れる形で外に出すことで、これは現行システムを動かしたままできます。 新しい仕組みができるまでは両方を動かし、片方ずつ移します。 ある日いっせいに切り替える進め方は、戻れなくなるので取りません。

このお困りごとでの実績はありますか

ありません。他社の老朽システムを引き取って作り直した実績はゼロです。 お見せできるのは、古いやり方を読み解いて動く画面に置き換えた自社の2件—— SolarEstimateMercury-Link ——のみです。同じ行為ではありますが、他社のシステムを引き取った経験ではない、という区別はしておきます。

どのくらい時間がかかりますか

棚卸しは、ファイルの現物をいただければ数日で「何がどこにあるか」の一覧までは出ます。 そこから先の作り直しは範囲次第です。棚卸しの結果を見てから判断していただければ十分で、 そこまでは無料の範囲に入れています。

中に入っているデータを外に出して大丈夫ですか

棚卸しの段階で必要なのは構造であって中身ではありません。 どんな項目があり、どこと繋がっているかが分かれば足ります。 個人情報や取引先の情報を含むデータは、伏せた状態でも構いません。 どこまで外に出すかは、最初に決めてから進めます。

いまのシステムが何をしているか、棚卸しする

初回の棚卸しは無料です。30分オンラインで、何で動いているか(Access/Excel/古い業務ソフト)、作った先と連絡がつくか、いま何に困っているかを教えてください。「中を読み取れるのか、画面と帳票から組み立て直しになるのか」の見立てをお返しするところまでが無料の範囲です。

  • 1 下のフォームを送る。箇条書き1行で構いません
  • 2 30分オンライン。資料の準備は不要。いつもの帳票をそのまま見せてください
  • 3 見立てを無料でお返し。進める場合の概算費用もこのとき出します

代表の水野が直接読み、2営業日以内に返信します。無理な売り込みはしません。 お急ぎならお電話でも:050-5473-9708

お困りごとシリーズ

台帳をぜんぶ見る

症状ではなく「これは何の問題なのか」を定義し、実際に見えるようにしたところまでを1本ずつ書いています。

どのお困りごとから入っても、進め方は同じです。 経営のお困りごとに伴走する進め方 にまとめています。