AXの現在地

AIを、
どこから始めればいいのか。
まず現在地を決めてください。

「使ったほうがいいのは分かる。でも何から手をつければいいか分からない」—— いちばんよく聞く言葉です。情報は入ってくるのに、最初の一歩だけが決まらない。

決まらない理由ははっきりしていて、階段が何段あるのかを知らないまま、 いちばん上の段を想像しているからです。段が分かれば、次の一段は自分で決められます。

当社はAXを説明するだけの会社ではありません。AX2の社内データ活用から、AX3の業務の組み直し、 AX4の入口となる独自業務へのAI実装まで、実際に作って運用しています。

この地図の出典

AIの活用度を AX1 から AX5 の5段階に分ける見方は、 東京大学大学院工学系研究科 教授・松尾豊先生(松尾・岩澤研究室)が示されている枠組みです。 AXは AI Transformation の略で、AIによって会社が変わっていく段階を指します。

以下に書いてあるのは、NHK Eテレの特別講義 「世界一流に学ぶAIスキル 〜東大大学院教授・松尾豊〜」(第1回 2026年8月6日/第2回 2026年8月15日放送)で語られた内容を、こちらの言葉で要約したものです。 番組や講義資料の転載ではありません。 各段に添えた「うちの実物」は当社が自分でやったことで、松尾先生とは関係がありません。 要約の誤りがあれば、それはこちら側の理解の責任です。

番組: NHK「世界一流に学ぶAIスキル」 / 枠組みの詳細: 東京大学 松尾・岩澤研究室「AXエバンジェリスト講座」

5つの段

上の段ほど偉い、という表ではありません。多くの会社にとって実際に効くのは AX2 と AX3 です。 自社がどこにいるかを指させれば、それでこの表の役目は終わりです。

AX1

生成AIを、社内で使える状態にする

自分たちだけでできる

まず全員が触れるようにする段。会話でも、メールの下書きでも、資料づくりでも構いません。使える環境があるかどうかで、仕事の速さが大きく変わります。

この段かどうかの判定

経理・営業・現場の人が、自分の判断で今日AIを開けるか

明日できる一手

業務用プランを契約し、「学習に使わない」設定を入れる。ここまでで半日。

うちの実物

このサイトも、社内の調べものも日常的に生成AIで回しています

AX2

会社の中のデータと、つなぐ

自分たちだけでできる

顧客データ、人事データ、過去の見積、マニュアル。社内にあるものを読ませると、AIは自社の事情を踏まえた答えを返すようになります。汎用の答えが、自社の答えに変わる段です。さらに「毎朝8時に」「メールが届いたら」という起動のきっかけを決めてやれば、人が指示しなくても動くAIエージェントになります。

この段かどうかの判定

自社のファイルや文書を読ませたうえで答えさせているか

明日できる一手

手作業の集計をひとつ選び、元データと「こう出したい」見本を渡す。指示を書き切る自信がなければ「必要なことを順番に質問してください」と頼めば、AIの方から聞いてくれます。

うちの実物

マニュアルRAG(社内文書に聞ける)/業務ファイル棚卸しツール

AX3

AIを使う前提で、仕事のやり方を組み直す

作業が速くなっただけならAX2です。一つの工程だけをAIに置き換えても、前後の工程が詰まっていれば全体の時間は縮みません。AX3は、AIを使う前提で誰が何をやるか・どの順で回すかを組み直す段。人は作るのではなく確かめる側にまわります。

この段かどうかの判定

担当者の役割や作業の順番が、前と変わったか

明日できる一手

速くなった業務について「では誰が何をやめるか」を決める。ここを決めないと元に戻ります。

うちの実物

工事業務を1本に通した例(見積・原価・入金が別々だったものを1つの流れに)

AX4

自社の強みを中身に入れた、独自のAIをつくる

「自社だけが使える」という意味ではありません。「自社にしか作れない」という意味です。現場の知識や自社にしかないデータが中に入っているので、他社が同じものを作れない。使うのは何百社でも構いません。

この段かどうかの判定

そのAIの中に、自社にしかないデータかノウハウが入っているか

明日できる一手

自社の一番詳しい業務を1つ選び、その判断ルールを言葉にして書き出す。

うちの実物

SolarEstimate(太陽光工事の見積。図面から部材を拾うルールは現場を知る人しか書けない/特許出願中)

AX5

会社を超えて、業界全体で使える基盤をつくる

自社の中に閉じず、業界の共通基盤になる段。階段は閉じる方向ではなく、開く方向に上がっていきます。

この段かどうかの判定

他社の仕組みからも呼ばれる存在になっているか

明日できる一手

うちの実物

ありません(やっていません)

AX5 を空欄のまま出しています。

やっていないからです。埋めれば見栄えは良くなりますが、その瞬間にこの表全体が信用できないものになります。 埋まっているところだけを見てください。

うちは、いまどこにいるのか

5問に答えると、その場で現在地が出ます。登録は要りません。 結果には固有のURLがつくので、そのまま社内に貼って共有できます。

AX1経理・営業・現場の人が、自分の判断で今日AIを開けるか

AX2自社のファイルや文書を読ませたうえで答えさせているか

AX3担当者の役割や作業の順番が、前と変わったか

AX4そのAIの中に、自社にしかないデータかノウハウが入っているか

AX5他社の仕組みからも呼ばれる存在になっているか

答えた内容は、判定と改善のためだけに使います。氏名・メールは取りません。

勤怠を1か月ぶん送ってください。168時間の配置に直してお返しします。

Excelでも、タイムカードの写しでも構いません。誰がいつ入っていて、どこが薄いのか。 1週間168時間の枠に並べ直すと、人が足りないのか、 置き方が偏っているだけなのかが分かれます。多くの現場は後者でした。

こちらで作って返すところまで無料です。読んで終わりにせず、自社の数字で1回試してみてください。 「AXの何段か」は、それを見てから決めれば足ります。

送り方:下のフォームに一行だけ書いて送ってください。 こちらから受け取り用のあて先を返信します。ファイルはそのときで構いません。 個人名は伏せたまま(Aさん・Bさん)でも図は作れます。

自分たちで先にやりました

問い合わせ0件から半年で、月30件になりました。

太陽光発電所のトラブル対応サービスを、システムも集客もゼロから作って、自分のサーバで運用しています。 「パワコンが再起動しない」で困っている人に届くまで、半年かかりました。 作った翌週に電話が鳴るという類のものではありません。

その記録には、当たった話だけでなく 広告費27,991円・50クリックで問い合わせ1件だった月や、 198クリックでゼロだった月も、そのまま出してあります。 ゼロを「運が悪い」で済ませず、検索意図と掲載位置に分解して、止めた広告と続けた広告を分けました。 届いた理由は頑張ったからではなく、先に市場があるかを数字で確かめたからです。

なお、よそのお客様の新サービスを立ち上げた実績はまだありません。自分でリスクを取って1件やった、という段階です。

0件から月30件までの記録を読む
現在地が見えたら

AX1・AX2は自社で試す。
業務を変えるAX3からは、一緒に設計できます。

ツールを入れること自体が目的ではありません。いま止まっている業務を見て、 自社でできるところ、仕組みにした方がよいところ、まだAIを使わない方がよいところを分けます。 相談の入口では、AXの段を答えられなくても構いません。

AX1〜2

まず自社で試せる

生成AIを安全に使う準備と、手元のファイルを使った小さな検証。無料サンプルで試せます。

経理のサンプルで試す
AX3

業務の流れから組み直す

見積・原価・入金など、別々の帳票と担当者の判断をつなぎ、人の役割まで含めて設計します。

実際に組み直した例を見る
AX4の入口

独自の判断を仕組みにする

自社にしかないデータや現場の判断ルールを整理し、他社がそのまま真似できない仕組みにします。ただしその判断は、たいてい古い社内システムの中に閉じ込められています。

閉じ込められた仕様を取り出す手順を見る

「AXの何段か」より、止まっている業務を教えてください

30分で現状を伺い、次に試す一手を見立てます。自社で進められる内容なら、そのようにお伝えします。

無料で現在地を相談する

同じ業種の会社は、何で止まっているか

AXの段に自分を当てはめる前に、同業の言葉を読んでみてください。

業種別のご相談をすべて見る

自分の業種が無くても構いません。「うちはこうなんだけど……」という形のままお聞かせください。整理してから来ていただく必要はありません。

ここは頼まなくていい

AX1 と AX2 は、自分たちだけでできます

松尾先生も番組でそう言われていました。とにかく触ってみてほしいと。 聞くのと触るのとでは、全く違うと。

実際、番組の第1回では茨城県のある会社の経理部門にその場でAIを使ってもらう場面が紹介されていました。 毎日1時間かかっていた集計が1分で終わった、という他社の事例です。 同じことを、いま、この場で試せるようにしました。 架空のサンプルファイルとプロンプトを置いてあるので、ダウンロードして貼り付けるだけです。

経理でやってみる(サンプル3ファイル+プロンプト)

費用はかかりません。相談も要りません。ここで詰まったときだけ、声をかけてください。

もうひとつ。段を上げていくと、必ず「どこまで機械に決めさせるか」という問いに当たります。 参考のつもりで出させた数字が、いつのまにか結論になっている——これは実際に起きることで、 起きたあとでは気づけません。任せてよい業務の見分け方を、別のページに書いています。

AIが出した答えを、そのまま承認していないか

AX3 と AX4 の違い

ここがいちばん混ざります。同じ「AIを使っている」でも、変わる対象が違います

AX3 AX4
何をする AIを使う前提で業務のやり方を組み直す 自社にしかない強みを中身に入れたAIを作る
使うAI 既製品でいい 自社のデータ・ノウハウが入ったもの
変わるもの 社内の人の動き方 会社の外に出せる武器
判定の質問 業務のやり方が変わったか 他社が同じものを作れないか

AX4 は「自社だけが使える」ではなく、 「自社だけが作れる」という意味です。

ここを取り違えると、内向きに閉じるほど上の段だと感じてしまいます。逆です。 階段は開く方向に上がります。 AX5が「会社を超えて業界全体で使える基盤」であることからも、向きは分かります。

自分たちの2本で言うと

なお SolarEstimate を「AX4」と言い切らずに「AX4の入口」と書いているのは、 独自のモデルを学習させているわけではないからです。自社のルールを既製のAIに載せている構造なので、 正確にはその手前になります。

先に線を引いておいてください

AX2 でつまずく理由は、たいてい技術ではありません。 「これを読ませていいのか分からない」で止まることです。 社員一人ひとりに判断させると、分からないからやめておこう、になります。 会社として線を引いておくと、現場は動けるようになります。

学習に使わせない設定を入れる

業務向けのプランにはほぼ付いています。まずここにチェックを。クラウドを使うかどうかで揉めていた頃と同じ話で、確認して線を引けば済むことです。

どこまで読ませてよいかを紙1枚で決める

経済産業省や業界団体が雛形を公開しています。最初は真似で構いません。自社に合わないところだけ、後から直せば足ります。

嘘をつくことがある前提で使う

もっともらしく間違えます。人がやった作業と同じで、確かめる人を置いてください。担当者の仕事は「作る」から「確かめる」に変わります。

数を数えるのは苦手

写真の中の個数、文章の中の文字数。意外なところで間違えます。得意・不得意を知って使い分けてください。

よくいただく質問

AX3 と AX4 の違いは何ですか

変わる対象が違います。AX3は「仕事のやり方」が変わる段で、使うAIは既製品で構いません。判定は「担当者の役割や作業の順番が前と変わったか」。AX4は「自社にしかないデータやノウハウが中に入ったAIを作る」段で、判定は「他社が同じものを作れないか」です。作業が速くなっただけならAX2、人の役割が変わったらAX3、他社に作れないものができたらAX4、という順で見てください。

「自社の強みを生かした独自のAI」とは、自社だけが使えるという意味ですか

逆です。「自社だけが作れる」という意味で、「自社だけが使える」という意味ではありません。使える範囲が狭いことは強みではなく、横に広げられない理由になります。当社の例で言うと、1社専用に作り込んだ工事業務の仕組みは使えるのがその1社だけですがAX3。全国の施工店が契約して使えるSolarEstimateのほうが、中身を作れるのが当社だけという意味でAX4に近い位置にあります。

ベテランの勘や目利きのような判断は、AIにできますか

最高峰の職人の代わりはできません。ただし、その人が何を根拠に判断しているかを言葉にし、判断と修正の記録をデータとして貯めていくと、その人に近い判断は再現できるようになります。間違えたら直す、を回すほど精度は上がります。最初に必要なのはAIではなく、判断根拠の書き出しです。

どこから手をつければいいですか

AX1とAX2は自分たちだけでできます。まず社内で使える環境を整え(AX1)、次に手作業の集計をひとつ選んで、元データと「こう出したい」見本の2つをAIに渡してみてください(AX2)。当サイトに、請求一覧と入金一覧から集金予定表を作るサンプルファイルとプロンプトを置いています。そのまま試せます。

社内のデータをAIに読ませて大丈夫ですか

業務向けのプランには「入力したデータを学習に使わない」設定がほぼ付いています。まずそこにチェックを入れてください。そのうえで大事なのは、社員一人ひとりに判断させないことです。どこまで読ませてよくて、どこからは駄目かの線を会社として引いておくと、現場は動きやすくなります。線が無いと「分からないからやめておこう」となって、結局何も進みません。ルールの雛形は経済産業省や業界団体が公開しているので、最初はそれを真似て作るのが速いです。

現場がAIを使ってくれません。どう進めればいいですか

説得より体験が先です。まず本人の業務で一度使ってもらい、「あの作業がこうなった」という小さな結果を作ってから、「もう少しやらせてほしい」と広げるのが、実際に通る順番です。当サイトの経理サンプルは、その最初の一度のために置いています。トップダウンの号令だけで入れたAIは、号令が止まると一緒に止まります。

AIが間違えた場合、誰が責任を取るのですか

「AIは間違えることがある」を前提に業務を組むのが答えです。具体的には二つ。AIが作ったものだと相手に分かるように明示すること。人の安全やお金の損害につながりうる業務では、最後に人が確認する工程を必ず残すことです。責任の所在を「確認した人」に置けるように設計します。全部をAIに任せて責任だけ曖昧、がいちばん危ない形です。

AX5まで行かないといけませんか

いいえ。段が上なほど偉いという表ではありません。多くの会社にとって、実際に効くのはAX2とAX3です。当社もAX5はやっていないので、この表では空欄のままにしています。埋められるところだけ埋めて、次の一段を決めるために使ってください。

次の一段でぶつかるのは、たいてい「今動いている古いシステム」です

初回の見立ては無料です。AX3から先へ進もうとすると、Access や Excel のマクロ、古い PHP で動く社内システムが必ず出てきます。作った人がいなくても、中身は取り出せます。30分オンラインで伺って、引き継げるか・何から手をつけると効くかをお返しするところまでが無料の範囲です。AX1・AX2で足りるなら、そうお伝えします。

  • 1 下のフォームを送る。箇条書き1行で構いません
  • 2 30分オンライン。資料の準備は不要。いつもの帳票をそのまま見せてください
  • 3 見立てを無料でお返し。進める場合の概算費用もこのとき出します

代表の水野が直接読み、2営業日以内に返信します。無理な売り込みはしません。 お急ぎならお電話でも:050-5473-9708

進め方は 経営のお困りごとに伴走する にまとめています。

お困りごとシリーズ

台帳をぜんぶ見る

症状ではなく「これは何の問題なのか」を定義し、実際に見えるようにしたところまでを1本ずつ書いています。

13

毎日おなじ手順で、人がパソコンに向かっている

手順が決まって判断の要らない作業が、人の時間で回り続けている

見せられるもの:入金消込/168時間配置ビュー(自社で稼働)
12

AIが出した答えを、そのまま承認している

参考値のつもりで出させた機械の答えが、いつのまにか結論になっている

見せられるもの:入金消込(読ませるのは候補まで、確定は人)
11

人が採れない。増員という選択肢が最初から無い

足りないのは人ではなく、今いる人数で回る形に組み替えられた業務

見せられるもの:168時間配置ビュー/入金消込サンプル
08

ホームページはある。でも、問い合わせが来ない

問い合わせ数だけでなく、商談・受注につながる場所まで育てる

見せられるもの:自社サービスで0件 → 半年 → 月30件にした記録
07

新サービスを作っても、客が来ない

発注者が探す市場かを、作る前に確かめられていない

見せられるもの:自社サービスで0件 → 半年 → 月30件にした記録
09

請求書を出したあと、入金予定を手で打ち直している

請求と入金が別の場所にあり、繋いでいるのが担当者の頭の中だけ

見せられるもの:サンプル3ファイル+プロンプト(その場で試せる)
10

サーバーが古いと言われたが、どこも引き受けてくれない

サーバーが古いのではなく、Webと業務とメールが同じ場所で絡んで作業範囲を確定できない

見せられるもの:老朽サーバーのAWS移行(調査から本番切替まで)
01

人を増やしても、現場が楽にならない

人手不足ではなく、時間帯ごとの配置が見えていない

見せられるもの:168時間 配置ビュー
02

案件の利益が、締めてからしか分からない

見積・原価・入金が別の場所にあり、突き合わせが月末しかできない

見せられるもの:見積・原価・入金を1本に通した工事業務の仕組み
03

ベテランの頭の中にしか、正解がない

文書がないのではなく、文書に聞けない

見せられるもの:マニュアルRAG
06

古いシステムを、もう誰も直せない

システムが古いのではなく、仕様がプログラムの中にしかない

見せられるもの:業務ファイル棚卸しツール

どのお困りごとから入っても、進め方は同じです。 経営のお困りごとに伴走する進め方 にまとめています。 そもそもAIをどこから始めればいいか決まっていない場合は、 AXの現在地 (松尾豊教授のAX1〜5で自社の位置を決める)から読んでください。