人を増やしても、
現場が楽にならない。
これは「人手不足」ではありません。
時間帯ごとに必要な人数と、実際の配置が見えていないお困りごとです。
足りないのは人数ではなく、人を時間帯と持ち場に合わせるための情報です。
こういう言い方で相談が来ます
どれも症状です。原因はまだ言えていません。
「募集しても来ない。来てもすぐ辞める。」
「人は増えたのに、忙しい時間はやっぱり足りない。」
「誰かが休むと、その日は誰かが走り回って埋めている。」
「シフトは店長の頭の中にある。あの人が休むと組めない。」
「残業代と深夜手当が思ったより出ている。理由がはっきりしない。」
「暇な時間に人が立っているのは分かるが、減らすと回らなくなる気がする。」
これは何の問題か
時間帯ごとに必要な人数が違うのに、
人を「1日1人」「月○人」の単位でしか数えていない状態。
人の数は帳簿に載ります。人が「いつ・どこに」立っているかは、どこにも載りません。 だから足りているのか余っているのかを、月の合計人数で判断するしかなくなります。 月の合計では足りているのに、朝の3時間だけ毎日足りない——という形の不足は、合計値では絶対に見えません。
なぜ「増員」では解けないのか
1. 需要に山と谷があるのに、増員は一日単位で増える
忙しいのは特定の数時間です。一日分の人を足すと、山には少し届き、谷には確実に余ります。 人件費は谷の分もまるごと増えるので、「増やしたのに楽にならず、費用だけ増えた」という結果になります。
2. 働ける時間帯は人によって決まっている
お子さんの送り迎えがある方は朝の早い時間に入れません。学校行事で抜ける日もあります。 採用でパートを増やしても、その方が入れる時間帯が谷なら、山の不足は動きません。 「1人増えた」は「山に1人増えた」ではない。
3. 兼務できる持ち場と、できない持ち場がある
同じ建物の中なら応援に行けます。電車で1時間かかる施設内の店舗を、その日のうちに兼ねるのは無理です。 経験の面でも、加工に入れる人と伝票を切れる人は違います。 頭数で足りていても、物理的・技能的に行けないなら埋まりません。
4. 欠員は確率で起きるが、平均には現れない
休みは毎日どこかで出ます。誰が休むかで穴の場所が変わり、埋められる人がいるかどうかも変わります。 「平均すれば足りている」は、毎日の穴が埋まっていることを意味しません。 現場が疲れるのは平均ではなく、埋めた日の走り回りの方です。
見えていないと、こういうことが起きます
増員の判断が勘になる
「何人足りないか」を時間帯で言えないので、採るか採らないかを感覚で決めることになります。
欠員のたびに属人的に埋める
誰なら入れるかを知っているのが一人だけなので、その人が休むと調整そのものが止まります。
深夜割増の集中に気づかない
割増がどの時間帯・どの働き方に寄っているかが分からないと、いちばん高い時間から直すことができません。
法令面の無理が後から出る
連続勤務や休憩、深夜の扱いで無理が出ていても、実際に組み終わるまで表に出てきません。
辞める理由が分からない
特定の人にばかり穴埋めが寄っていても、その偏りが数字として見えないので手を打てません。
改善したかどうかが分からない
手を打った前後を同じ物差しで比べられないので、良くなったのかどうかを言えません。
一週間168時間を、一枚にする。
月の合計人数では見えないものを見るために、一週間を168時間ぶん横一列に伸ばした画面を作りました。 上の帯が「その時刻に必要と置いた人数」、下の面が「実際に立っている人数」。差が出ているところが手薄です。
モデルにしたのは、深夜1時から動き出す生鮮の卸と、施設内の店舗・直売所・オンライン出荷を併せ持つ会社です。 調達、仕分け、加工、伝票、配送、店舗——持ち場が9つあり、正社員とパートが混在し、水曜と日曜は市場が休む。 人の配置がいちばん絡まる形を、あえて選んでいます。
週の呼吸
一週間を一枚に。必要人数と実配置の差を通しで見る
168時間ガント
縦が人、横が一週間。誰がいつ立っているか
需要と配置
拠点ごとに、必要と実際の差を出す。手薄はどこか
欠員シミュレーション
休み申請が出た瞬間に、どこが何人足りなくなり、誰なら入れるか
配置の入れ替え
始業・長さ・曜日・持ち場を動かすと、全体の過不足がその場で変わる
正社員とパート
同じ「1人」でも、動ける時間帯・入れる持ち場・休みの出やすさが違う
費用と法令
深夜割増がどの時間帯・どの働き方に集中しているか
検算
この画面を疑う。同じ数字を別経路で計算し直す
で、どうするか
ここまでの8枚から、打ち手だけを効く順に並べる
08「検算」がいちばん大事な画面です
作った本人が、同じ数字を別の経路でもう一度計算し直し、そのうえで 信用してはいけない数字を自分から挙げる画面を入れています。 こういう画面は、たいてい作りません。都合が悪いからです。 けれど経営判断に使う数字なら、どこまで信じていいかが書いてある方が役に立つと考えました。
数値はすべて仮モデルです
在籍人数、勤務時間、単価、欠員の出やすさ——すべて現場ヒアリングを元に組んだ仮の値で、 実在企業の実績値ではありません。お見せしているのは「こういう形で見える」という構造の方です。 実データを差し替えれば、そのまま本番の画面になるように作ってあります。
パソコンの横長画面向けに作っています。スマートフォンでも開きますが、横スクロールが多くなります。
見えるようになると、判断が変わります
人が減るとも、費用が下がるとも約束しません。変わるのは判断の材料です。 そこから先は経営の選択になります。
増員するか、しないか
「朝の4時から7時に、加工へあと2人」まで言えるようになります。何人採るかではなく、いつ・どこに要るかで決められます。
休み申請が出たその場で
埋まるのか、埋まらないのか、誰なら入れるのかが即座に分かります。調整のたびに一人の記憶を頼る必要がなくなります。
いちばん高い時間から直せる
深夜割増がどこに寄っているかが見えるので、費用の効く順に手をつけられます。
シフトが人の頭から出る
判断の根拠が画面に出ている状態になるので、組む人が替わっても同じ質で組めます。
打ち手の効果を同じ物差しで比べられる
前と後を同じ画面で見られるので、良くなったのかどうかを言えるようになります。
こういう現場に当てはまります
業種は問いません。共通しているのは「時間帯によって必要人数が大きく変わる」ことです。
早朝や深夜に山がある(卸・市場・物流・食品加工)
拠点が複数あり、行ける拠点と行けない拠点がある
正社員とパート・アルバイトが混在している
曜日で需要が大きく変わる(土日が山、平日が谷)
24時間または長時間動き続けている(介護・宿泊・警備・清掃)
シフトを組める人が実質1人しかいない
よくいただく質問
なぜ増員では現場が楽にならないのですか
必要な人数は時間帯ごとに違うのに、増員は一日単位で人を増やすためです。忙しい時間に入れる人が増えなければ、谷の時間の人件費だけが増えます。 パートの方は勤務できる時間帯が決まっていることが多く、増やしても山に届きません。 さらに、持ち場によっては物理的に兼務できない組み合わせがあり、頭数では埋まりません。
配置ビューの数字は実在企業の実績ですか
いいえ。現場ヒアリングを元に組んだ仮モデルです。人数・時間・単価はすべて仮の値で、実在企業の実績値ではありません。 ただし実データを差し替えればそのまま本番の画面になる構造で作ってあります。
シフト管理システムを入れるのとどう違うのですか
シフト管理システムは「決めたシフトを配る・記録する」道具です。ここで扱っているのは、その手前の 「どう決めるのが正しいのか」を判断する材料です。 必要人数と実際の配置の差、欠員が出たときに埋まるかどうか、深夜割増がどこに集中しているか。 まずこれが見えないと、どのシステムを入れても入力する数字が決まりません。既存のシステムがあるなら、そのデータを使います。
うちのデータはExcelと紙とLINEに散らばっていますが大丈夫ですか
そのままで結構です。整えてから持ってきていただく必要はありません。 散らばったものを突き合わせて一枚にするところが、作業の中心です。
個人の勤務データを預けることになりますか
秘密保持契約を結んだうえで、氏名は匿名の記号に置き換えた状態で扱います。 配置を見るのに氏名は必要なく、必要なのは「働ける時間帯」「入れる持ち場」「休みの出やすさ」だけです。
自社のデータで、この画面を見てみる
初回の棚卸しは無料です。30分オンラインで、いまのシフト表と勤務データをそのまま見せてください。「これは配置の問題なのか、本当に人手不足なのか」の見立てをお返しするところまでが無料の範囲です。
- 1 下のフォームを送る。箇条書き1行で構いません
- 2 30分オンライン。資料の準備は不要。いつもの帳票をそのまま見せてください
- 3 見立てを無料でお返し。進める場合の概算費用もこのとき出します
お困りごとシリーズ
台帳をぜんぶ見る症状ではなく「これは何の問題なのか」を定義し、実際に見えるようにしたところまでを1本ずつ書いています。
人を増やしても、現場が楽にならない
人手不足ではなく、時間帯ごとの配置が見えていない
案件の利益が、締めてからしか分からない
見積・原価・入金が別の場所にあり、突き合わせが月末しかできない
見せられるもの:Mercury-Link 03ベテランの頭の中にしか、正解がない
文書がないのではなく、文書に聞けない
見せられるもの:マニュアルRAGどのお困りごとから入っても、進め方は同じです。 経営のお困りごとに伴走する進め方 にまとめています。